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(阪大での院長の学生さんへの講義から抜粋) |
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感染症などで高熱をきたしたがん患者さんの癌が消えることがあることが、古来わかっていました。どうして熱が癌をおさえるのでしょう? どのように温めたら効果が出るのでしょう? |
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人間はヘビなどの変温動物ではありません。外から熱を加えても体内の温度は変わりません。熱い入浴療法をしたり、リハビリの赤外線を使って、温熱療法という施設もあるようですが、そのような方法では皮膚から1センチも入ったら温度は上がりません。いま日本で、手術や針などを刺さずに、深部まで温めることができ、保険も適用される装置はサーモトロンRF-8のみです。これは電子レンジの要領で体の中から温めることができます。何度で温めるのがいいのでしょう。ラジオ波などで焼き切る場合は100度以上になりますが、焼き切るだけです。温熱療法は43度です。そうしますと癌が自分でゆっくり死に始めます。その近くには42度のところがあるわけですが、この温度は免疫システムを増強させます。免疫をあげることにより、温熱をかけていない肺転移などまで消滅させることがあります。
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サーモトロンRF-8は当初放射線療法の効果をあげるために考案されましたから、放射線との併用が効果的なのは当然ですが、よく理解されていないのは残念です。温熱療法は単独では「それほど効果ないな」と思われていた事がありましたが、最近他の療法との併用で効果が注目されてきました。まず抗癌剤との併用で効果があがります。温熱により抗癌剤の癌組織への移行が1.5から2倍になることがわかり、また抗癌剤をきかなくする物質をおさえることもわかりました。次は免疫療法との併用です。簡単にいいますと、「本来免疫で排除される癌が、免疫から逃れて成長するためのシステムを、温熱療法が正常に戻すことにより、本来の免疫機能をとりもどして癌を排除する」わけです。温熱と免疫(特に樹状細胞腫瘍内投与)との併用により、治療していない部位の転移癌まですべて排除される完治例が報告されるようになりました。 |
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